第4章ログ

2017年08月04日 20:44

第4章の議論ログです

 

第4章では、市場における需要と供給についてでした。第4章からはミクロ経済学です。

市場 (market) とは、一つ一つの財・サービスにおける売り手と買い手の集まりのことである。

ここで扱っている市場は競争市場と呼ばれるもの。

競争市場とは、多くの売り手と買い手が存在していて、1人の売り手や買い手が市場価格に影響を及ぼさないような市場のことをいう。

ちなみに、以下の条件を満たしている市場は「完全競争市場」と呼ばれる。

  1. 販売されている財がまったく同じである
    • ちなみに、売り手の販売する財が差別化されている (=同じではない) 場合は、独占的競争市場と呼ばれる
  2. 売り手と買い手が多数存在するので、市場価格に影響を及ぼすような単独の売り手または買い手が存在しない
    • ちなみに、販売される財が少数の売り手 (e.g., 寡占企業) に支配されてしまっているような市場は寡占市場と呼ばれる
需要量
  • 買い手が買いたいと思い、かつ買うことができる財の量
    • 市場の中には複数の個人が含まれていて、需要量には個人差がある
    • 個々人の需要量の総和が、市場の需要量である

 

  • 正常財
    • 所得が減少した時に需要が減少する財(e.g., バイト代が少ないので、アイスクリームを買うのをやめる)
  • 劣等財
    • 所得が減少した時に需要が増大する財(e.g., バイト代が少ないので、タクシーを使わずにバスを利用するようになる)
  • 代替財
    • 一つの財の価格が下落すると別の財への需要が減少する(e.g., アイスクリームが安くなると、フローズンヨーグルトを買わなくなる)
  • 補完財
    • 一つの財の価格が下落すると別の財への需要が増大する(e.g., バターが安くなると、ケーキがよく売れる)

 

供給
  • 売り手が売りたいと思い、かつ売ることができる財の量
    • 市場の中には複数の個人(ここでは売り手)が存在していて、供給量には個人差がある
    • ある価格帯における個々人の供給量の総和が、市場の供給量である

 

ある市場の需要と供給を表現すると下図のようになる

【ここに図を挿入】

この市場で起こる変化には、以下の2種類がある。

  1. (需要または供給)曲線自体のシフト
  2. (需要または供給)曲線に沿った動き
  • ポイントは、曲線がシフトするのは上で示すような図に含まれていない、関連する変数が変化した場合である点
    • 例えば「アイスクリーム」に関する市場について考える場合、曲線がシフトするのは「牛乳の価格変化」や「気温」など、アイスクリームの個数や価格とは別の関連変数が変動した場合である
均衡点

需要曲線と供給曲線との交点であり、均衡点では…

買い手が買いたいと思いかつ買うことができる財の量と、売り手が売りたいとおもいかつ売ることのできる財の量とが、正確に釣り合っている

  • つまり、均衡点の下では市場に参加するすべての売り手と買い手が満足しており、不満足なものは残されていない
何が均衡を変化させるのか?
  • ある出来事や変数が市場にどのような影響を与えるかを分析するには、以下の3段階のアプローチがある
  1. その出来事が変化させるのは、需要曲線・供給曲線・両曲線のいずれか
  2. 曲線のシフトする方向は左(減少)か右(増大)か
  3. 作図により新旧の均衡点を比較することで、曲線のシフトが均衡価格と均衡取引量にどのような影響を及ぼすか

 

今回は以下の応用問題の3で内容の復習

アンケート調査によって、若者のドラッグ使用が増えていることが判明した。その後の論争において、二つの仮説が提示された。

  • 警察が怠けているので、街頭でドラッグを入手することが容易になった。
  • 麻薬教育の予算が削減されたことで、ドラッグ中毒の危険への認識が低下した。
  1. 需要と供給の図を用いて、上記の二つの仮説が、ドラッグ消費量の増加をどのように説明できるかを示しなさい。
  2. ドラッグの価格がどう変化したかと言う情報は、二つの説明の妥当性を判別するのに、どのように使えるだろうか。

ドラッグの需要と供給の図として、以下のものを考えた。

【ここに図を挿入】

  • 警察が怠けているのが理由だった場合、ドラッグの供給がラクになるので供給曲線が右にシフトする(A)
  • 麻薬教育が理由だった場合、ドラッグを欲しがる若者が増えるので、需要曲線が右にシフトする(B)

ドラッグの価格変動と説明の妥当性

  • この市場では、2つの説明は独立で同時には起こらないと想定すると…
    • 供給が増えた場合は、均衡価格が下がる
    • 需要が増えた場合は、均衡価格が上がる
  • よって、ドラッグの単価が下がった場合は「警察が怠けた」とする説明、ドラッグの単価が上がった場合は「麻薬教育を怠ったからだ」とする説明がより妥当である可能性が高いと言えるだろう

 

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第4章はなんとなく高校の政治経済の復習っぽい感じ。
(需要・供給)曲線自体のシフトなのか、それとも曲線に沿った動きなのかが混乱しやすいかもしれない。
基本的にはグラフを書いた上で「変化を生じた要因が、グラフの中に含まれているか」を判断する必要がある。

次回はこうした需要と供給に、政府が介入した場合はどうなるの?と言う話。
この本の言い分だと「市場には自浄作用がある」ので「政府の介入は(多くの場合)かえって害になる」という考えっぽいが果たしてどうでしょう、というところで第4章はおしまい!

 

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